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音へのこだわり

クラシックギターの音づくり

現代ギターが誕生して約160年間、ギターの母国スペインでは名工達がスペインの音をつくり伝えてきました。私のギター製作の原点もスペインにあり、マドリッドの工房にあります。スペイン留学時代に世界的名工の師マヌエル・エルナンデス(1895-1975 ブランド名は M.Hernandez y V.Aguado)から学んだスペイン伝統の製作技術はもちろん、さらに重要なギター製作に取り組む姿勢や考え方は常に私の製作の中心にあります。

日本の風土の中で、日本人である私がいかに原点であるスペインの音を出すかということが私のギター製作テーマの一つです。師の写真を横に師の製作中の姿やスペインの景色を思い浮かべながらスペインの音色を目指し製作しています。

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マヌエル・エルナンデス

(1974年撮影)

江崎ギター工房は、私の50年以上に及ぶギター関係の経験・知識・技術のすべてを注ぎ込み、「エザキサウンド」の究極のギターを追い求めるための工房です。研究・設計・製作の経験だけでなく、多くのプロ演奏家や愛好者との交流の中で得た『優れたギター』が備える音や演奏性などの感覚を元に、手工により魂を込めてじっくりと丁寧につくり上げています。

江崎ギターの音は、本場スペインの流れを汲む音色と音に芯があり弾き応えがあります。また、低音から高音までバランス良く響き、パワフルで遠達性に優れていることも特徴です。「エザキサウンド」はすでにギタリストに高い評価を得ています。ぜひ一度、江崎秀行ギターの音の魅力をご体験してみてください。

フラメンコギターの音づくり

夏は灼熱の太陽と青い空が広がるアンダルシアのグラナダで約1年間、名工エドアルド・フェレール(E. Ferrer)の工房でクラシックギターとフラメンコギターの製作技術を学びました。「物差しは捨てろ。ギターは感覚で作るものだ」と教えられました。

グラナダの生活で郵便配達のおじさんが弾いてくれたフラメンコギター、ジプシーの男の子が歌ってくれたフラメンコの曲、タブラオで見たフラメンコの踊り、フラメンコのフェスティバルで見た本物のフラメンコ音楽、色々な場面でフラメンコを肌で感じました。まさにアンダルシアはフラメンコの母なる地域です。フラメンコ音楽は「ジプシーの叫び」を表現していると私は感じています。

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エドアルド・フェレール

(1972年撮影)

フェレールの製作に対する姿勢にもフラメンコの魂を感じ、私も激しいラスゲヤード奏法の中でフラメンコの叫びの歯切れの良いリズムが表現できるギターを心込めて製作しています。アンダルシアの伝統的な製作技術や心を大切にして、スペイン的な明るい音色やラスゲヤードの音の歯切れ良さ、低音から高音までの音のバランスの良さ、和音の心地よさを追求しています。フラメンコもフラメンコギタリストから高い評価を得ています。ぜひ一度、江崎秀行ギターの音の魅力をご体験してみてください。

江崎ギター共通の音づくり

ギターは理論や知識、経験がなくても弦が張られて音階が演奏出来てある程度の音量があればギターの良し悪しは別にしてもギターとして存在します。ギターの定義は不明確で、このような音が出なければいけない、このように作らなければいけないというルールはありません。

演奏者であるギタリストや愛好者の良いギターや良い音の判断基準は各人の好みや知識、経験により異なり、一番良いギターが異なります。製作者側も体験や好みにより目指す音や出てくる音が異なり製作者の数だけ音があります。高音の鳴りを追及する人、音量を追及する人、それを達成するために常識外れの仕様や製作方法を採用してもルールがないのでギターとして評価されます。

今後、時代の変化とともにギター音楽や音の好みも変化していくかもしれません。私はエルナンデスやフェレールに師事し、スペイン伝統の製作技術やギター製作の真髄を学び、中世から現代まで受け継がれているギター本来の音を知った感じがします。これまでも、これからも伝統的な製作技術や精神面の重要性を意識して、一つの音としてしっかりとまとまった本来の音づくりを行っていきます。周囲の革新的な技術や形状に惑わされることなく、私の考えるギターの音や技術の範囲内で日々研究を重ね「究極のエザキサウンド」の追及を続けます。

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