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小暮 浩史(ギタリスト) 

2023年6月4日(日)浜松市の江崎ギター工房にて

試奏ギター: No.35G松、No.80松、No.80米杉

 江崎ギターで久しぶりに演奏を楽しみました。

 

 まずNo.35Gドイツ松についてですが、全体的なトーンバランスが非常に良く、特に中音域が豊かでしっかりとした響きを持っていました。また、音量の変化をつけることが容易で、右手のタッチに敏感に反応してくれました。ピッチも非常に正確であり、特に1弦の7フレット以上の音程をコントロールすることが容易でした。その上に、この価格帯でこのような素晴らしい音色を手に入れることができるコストパフォーマンスには驚きました。

 

 次に、No.80ドイツ松についてですが、低音は非常に太く深みのある響きであり、立体的な音楽表現が可能でした。高音はこれから成長していく楽しみがありますが、既に中音域は非常に鮮明に鳴り、メロディーを美しく歌わせることができました。音量も十分であり、木の温かみのある音質が心地よかったです。また音の立ち上がりが早く、レスポンスも良かったため、音色の変化に対する反応も素早かったです。1弦のハイポジションでの鳴りも自然で、スケールが上昇する感動などをうまく表現することが出来そうです。

 

 最後にNo.80米杉についてですが、このギターはメランコリーな曲に非常に適していました。私にとって米杉は音量のコントロールが難しいと感じることが多いのですが、このギターではその問題が解決されています。米杉特有の温かさを持ちつつ、撥弦の感覚が心地良かったです。音は芯のあるブリリアントな響きを持っており、繊細な表現が可能でした。弦をまたぐ際の違和感もなく、「陰と陽」のような多彩な幅を持った音楽表現が出来そうな楽器です。

 

 江崎ギター全体の感想として、どのギターも音量が十分であり、全体的なトーンバランスが良かったです。メロディーと伴奏の心地よいバランスを作り出すことができました。全てのギターで中音域が非常に良く鳴り、内声にあるメロディーラインが隠れず明瞭に聴かせることが出来ます。ギター選びの際に、自分に合った楽器を探すことができる価格帯のラインナップが魅力です。

(記:小暮浩史)

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