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音を求めて

 

 未知の音を求めて
ヤマハ(当時は日本楽器製造株式会社)入社後に新設されたギター研究課に所属し、手工ギターの研究や商品開発を担当する。音づくりの難しさを実感しながら手工ギターの新商品で新しい音を提供する。 ギターの奥深さや音色に魅力を感じ、ギターの音づくりへの挑戦を生涯のテーマにすることを決心する。

 本場の音を求めて
名工の音づくりの真髄を学ぶためにクラシックギターの母国スペインへ約3年間留学する。グラナダでエドゥアルド・フェレールに約1年、マドリッドでマヌエル・エルナンデスに約2年師事する。手づくりで製作に長時間を費やしながら100年前の伝統的な製作方法を習得する。

また、名工の製作に取り組む姿勢から製作者として精神面の重要性など製作の真髄や原点を学ぶ。マドリッドの工房で表板に日本材の北海道産えぞ松を使用して製作したギターはナルシソ・イエペスやホセ・ルイス・ゴンザレス、オスカ・ギリアなどのギタリストに高い評価を受ける。

 自分の音を求めて
帰国後、ヤマハ最高級ギターの製作を担当する。スペインで学んだ製作の真髄や原点を大切に、精神面の「魂」を投入し自分の個性を表現したGC-30Bは「江崎モデル」と呼ばれた。スペイン的な香りのするバランスの良いパワフルな音と評価され、「江崎サウンド」を確立した。ジークフリード・ベーレントなど国内外のギタリストやギター愛好者に愛用される。

 愛好者の音を求めて
技術者や製作者として偉大なギタリストのアンドレス・セゴビアやレオ・ブローウェルをはじめ国内外の多くのギタリストとギターを語る。また、世界各国のギター関係者や愛好者と接し、商品開発や生産を通じて世界中にヤマハギターを届ける。セミナーなどを通じて製作者や技術者の場からギターの魅力を伝える。

 究極の音を求めて
定年退職を機にキャリアを活かし、究極の「江崎サウンド」を求めて2006年7月に静岡県浜松市に「江崎ギター工房」を設立する。完成品は「スペイン的な香りのする明るくてパワフルな音であり、低音から高音までバランスが良い。江崎サウンドの復活だ」と高い評価を得る。2007年より本格的に工房でギター製作に入る。
ギター歴50年以上となる。

JGA(Japan Guitar Association)と日本弦楽器製作者協会の正会員、日本ギター連盟の賛助会員としてクラッシックギター業界に微力を尽くしている。
また、浜松ギター鑑賞友の会の会長や浜松ギターアンサンブル・アコルデの代表も務め、ギター音楽を楽しみながら地域のギター活性化に努めている。
(更新:2022年)

師エルナンデスと江崎.jpg

マヌエル・エルナンデスと

マドリッドの彼の工房で(1974年)

Xセゴビアと.jpg

アンドレス・セゴビアと

マドリッドの彼の自宅で(1980年)

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江崎秀行

浜松市の江崎ギター工房にて(2022年)

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